
爆撃におびえながら,寒い地下室で一睡もできずに苦しんでいる子供たちがいる。
彼らが春の日差しに包まれた青空を仰ぎ見る日は来るのだろうか。
父親を残し,故郷を離れなければならない子供たちには,美しい故郷の風景がどのように写っているのだろう。
彼らが望んでいることは,一日の終わりに,食卓を囲んで,家族で楽しい団欒をすることだけなのに。
銃を構えた若い兵士には,逃げ惑う人々の姿がどのように写っているのだろう。
故郷から遠く離れたところで,父や母を思う気持ちは,きっと誰でも普通にもっているのに。
それでも構えた銃を下ろさないと言うことは,自分の父や母に銃口を向けていると同じこと。
春が来るんだよ。もうすぐ水もぬるみ,木々の若葉も顔を出してくる。
戦いをやめて,故郷に戻ろう。誰かの故郷を壊してはいけない。みんなが待ち望んでいる春が来るんだよ。