蚊帳のある生活

昔はどこのうちで蚊帳を使っていた。うちでは、家族4人が六畳の部屋に寝ていたが、部屋の壁には、長押(なげし)があって、予め蚊帳を吊るせるように器具が付いていて、夕方になると母が布団を敷いて、そこに蚊帳を開いて吊るしていた。寝る時にはさっ!と蚊帳の中に潜り込まないと、蚊を入れてしまうということで、よく叱られた。部屋の隅にはブタの形の容器に蚊取り線香を焚いていた。こういう風景はほとんど日本じゅう見られなくなったのかも。きっとうちの子どもに話しても、何のことだか分からないだろうな。

寝室の窓を開けて寝ていたら、虫の声が随分聞こえるようになった。夏の終わりの季節を考えていたら、何故か蚊帳のことを思い出してしまった。

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