陸上記録会について思うこと

ボランティアで本日,市小体へ参加してきた。前任校の子どもたちも頑張っていましたね。保護者の方からも差し入れまでもらって恐縮でした。

ところで,新しい形の大会として今年は実施されました。今まで,選抜された子どもたちが大会に出場し,競技を繰り広げてきました。これは私が教員になったころから変わらずで,毎年くり返されてきたものです。では,選ばれない子どもたちはどうしたのか。残った子どもたちから行進に出場する子どもや応援団の子どもを選びます。一人一人が,その子の力を発揮できるベストな場所で活躍をする,というのがその趣旨でした。

6年生の教員だけでは手が足りないので,学校中から応援をいただき,指導に当たります。私が若い頃は,朝練習も7時40分頃からやっておりました。6年生担当は,もうふらふらでした。考えてみると,手伝わされた他学年の教員も,当時はよくやっていたと思います。

ここでいくつか問題がありました。6年生の学年では,陸上に向けて体育の時間を使って指導をします。そうすると,当然選手だけでは無く,応援や行進の練習も同時進行で行います。ここで問題になるのが,応援団の練習が果たして体育の時間に適切かどうかということです。もちろん適切ではありません。でも,何も指導しなく遊ばせて置くわけにはいかないので,同じ時間帯で指導をしておりました。

片平で教員をしていた頃は,それこそ春の運動会が終われば,陸上という感じで,何ヶ月も前から練習をしていました。別にそれはやりたくてやっていたわけではありません。なんとなく伝統的にそんな感じで進められていたのですね。これにプラスして,夏休みには水泳の大会もありましたから,6年生の担任をしたがらないというのは分かりますよね。

現在は夏休み明けから2週間ぐらいしか練習をしていないはずです。若い先生方は昔のことは知らないので,おそらく昔のようにやっていたら,学校中がパニックになるでしょうね。

 

市教委の方針として,この陸上記録会をそろそろ収束させてはという考えもありました。なんといっても教員の多忙化が問題とされていました。それに陸上記録会をしているからといって,子どもの体力が上がっているかといえば,まったくそうでないのです。一部の選ばれた子どもたちだけが能力アップしているという現実。

校長会の体育研究会としては,これらを打破すべく,全員参加の記録会ということで,今回の50メートル走を提案してきました。50メートル走は,毎年スポーツテストで1年生から計測しています。その集大成として,選手に選ばれてない残り全ての子どもたちにも,陸上競技場のトラックで走らせてやりたいという願いを実現させたわけです。当然時間がかかりますから,その分,開会式を簡略にし,行進もカットしました。応援は必須では無く,学校独自に任せられています。子どもが自主的に行った学校も多かったのではないでしょうか。

でも,障害を持っている子は走れないので,そういう子たちの活躍のさせ方ということを考えると,まだまだ改善の余地はあるのかも知れません。この点はこれからの校長たちにお願いしたいと思います。

 

政令市でこのような大会をしているのは仙台市くらいかもしれません。大会そのものをやる意味があるのかという意見もあります。どちらかというと,私もそういう意見をもっていました。でも一部の選ばれた子どもだけでは無く,全ての子どもたちを輝かせるという趣旨から,今年の大会は変わってきたのだと思います。

忙しさを理由に,こういう大会がカットされていくのは,少々親としても辛いところがあります。私の息子は行進の旗持ちで終わりましたが,それでも親としては,写っている写真をしっかりと購入し,記念にと思うのです。

今日は退職校長会の呼びかけに応じて,会場整理等のお手伝いをしてきました。ちょっぴり変わった記録会を,しっかりと見てまいりました。

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